不動産投資の減価償却の計算方法、減価償却による効果的な節税方法などを解説します!

こんにちは!ライフアートエージェンシィです!

不動産投資等をやっている方は「減価償却」という言葉を聞く機会も多いのではないでしょうか。

減価償却とは、価格が大きく長期間に渡って使用できるモノ(不動産)は購入した年に全額を費用計上するのではなく、一定の期間にわたって分割して費用計上することで、減価償却費を上手く活用することで節税効果をより大きくすることができます。

今回は減価償却とはなにか、という基本から、不動産投資における減価償却費の計算方法・効果的な節税方法を解説していきます。

ぜひご自身の節税対策に活かしてもらえたらと思います!

この記事を読むとわかること

・減価償却とは

・減価償却費の計算方法

・減価償却費が節税に有効な理由

・不動産投資における減価償却の注意点

不動産投資における減価償却の基本

減価償却とは

減価償却とは、価格が大きく長期間に渡って使用できるモノは購入した年に全額を費用計上するのではなく、一定の期間にわたって分割して費用計上することです。

例えば、年間の利益が5000万円の会社が1億円の設備投資を行ったとして、購入費用の全額を購入した年に計上するといきなり5000万円の赤字が出てしまいます。しかし、この設備は1年で使い切るものではなく何年にもわたって使用し利益を生むものです。このように一度に費用計上してしまうと、購入した年に大きな赤字が発生してしまうなど、毎年の利益を正確に把握することができなくなります。

こうした背景から、時間が経つにつれその価値が減っていく資産については、法定耐用年数に応じて分割して費用計上するというのが減価償却の考え方です。減価償却によって計上される費用を「減価償却費」と呼びます。

不動産投資の減価償却費は、建物価格・法定耐用年数・築年数で決まる

前述にて、減価償却とは「資産の購入費用を何年かに分けて費用計上する」ものだと説明しました。つまり、毎年の減価償却費は「購入費用」と「期間」によって決まるということになります。

不動産投資で減価償却費を計算する際の購入費用とは、「建物および付帯設備の価格」を指します。注意すべき点は、土地は減価償却の対象にはならないということです。なぜなら、土地は経年によって価値が下がるものではないからです。

また、減価償却期間は、法定耐用年数と築年数(経過年数)から決まります。耐用年数とは「その資産を使用できる期間」として法的に定められているものです。

住宅は構造によって耐用年数が定められており、以下の表の通りです。

▽建物の法定耐用年数
構造法定耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
鉄筋コンクリート造(RC)
47年
鉄骨造34年
軽量鉄骨造19年
木造22年

不動産投資における減価償却費の計算方法

実際に計上する際は、定額法・定率法・簡便法いずれかの方法を用いる必要があります。投資をスタートしたときの契約内容で異なるケースもあるため、適切な方法を反映できるようチェックしておきましょう。具体的な数字を使って行うシミュレーションも重要です。それでは3種類の計算方法における概要と、具体例もあわせて解説します。

定額法による計算方法

1年間の減価償却費を原則一定とし、法定耐用年数に則って計上する方法が「定額法」です。不動産投資では、3種類の中でもこの定額法が多く用いられています。計算方法は以下のとおりです。

定額法の償却限度額=取得価額×定額法償却率

※取得価額=建物にかかる費用
※定額法償却率=耐用年数に応じて定められた定額法の償却率

定額法の償却率は、耐用年数によって区分されます。計算において重要な要素となるため、国税庁HPに記載された情報を参考にしながら算出してみましょう。以下は具体的な数字を例に挙げた条件と結果です。

  • 取得価額:5,000万円
  • 法定耐用年数:22年
  • 定額法償却率:0.046
  • 償却限度額:5,000万円×0.046=230万円

毎年230万円ずつ価値が下がり、22年後に0円となる結果が算出されました。このように、単純な計算方法であるため比較的容易にシミュレーションできるでしょう。

定率法による計算方法

投資を開始してから償却した金額を考慮した上で計算する方法が「定率法」です。以下の計算式に当てはめて算出します。あわせて具体的な例も確認しておきましょう。

定率法の償却限度額=(取得価額-これまでに償却した金額)×定率法償却率
  • 取得価額:5,000万円
  • 法定耐用年数:22年
  • 定率法償却率:0.114
  • 償却限度額(1年目):5,000万円×0.114=570万円
  • 償却限度額(2年目):(5,000万円-570万円)×0.114=505万200円

償却率に乗じる数字が減少するため、経過年数が長いほど少額になる仕組みです。また、定率法ではあらかじめ定められた「保証率」も反映しなければなりません。償却額が保証額に満たない場合、別途区分される数字を用いて算出します。
※保証率=資産の取得価額に当該資産の耐用年数に応じた設定された割合

簡便法による計算方法

投資用の不動産を中古で購入した場合、計上の際に用いる方法が「簡便法」です。購入後に法定耐用年数を適用すると本質的な考え方にそぐわないため、新築物件とは異なるルールを設けています。耐用年数を算出する方法として、以下の2パターンを押さえておきましょう。

  • 法定耐用年数を超えていない:耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%
  • 法定耐用年数以上の期間が経過している:耐用年数=法定耐用年数×20%

経過年数に合った方法を用いるのがポイントです。法定耐用年数が22年の木造住宅を築年数5年の状態で購入した場合、耐用年数は以下の流れで算出できます。

  • 22年-5年=17年
  • 5年×20%=1年
  • 17年+1年=18年

不動産投資の減価償却費が節税に有効な理由

減価償却費は実際の支出を伴わない経費

「減価償却費」は、経費計上はできるのに実際の支出は伴わない、とても便利な経費です。

経費を計上すると利益が減るので、利益にかかる税金は少なく済みます。しかし、大多数の経費(接待交際費等)は実際の支出を伴っているため、トータルでみると手残りを増やせたとは言いづらいです。

ところが、減価償却費は会計上は費用計上できて利益・納税額を減らせるのに、実際の支出は伴わない費用であるため、正しく使えば手残りを増やすことができるのです。

損益通算で個人の所得を圧縮できる

損益通算とは、所得の赤字と黒字を相殺することをいいます。
不動産投資においては、不動産所得の赤字を個人の所得の黒字と相殺することが可能です。

例えば、あなたが年収1200万円のサラリーマンで、1億円のマンション(建物価格5,000万円、利回り9%、減価償却期間5年)を購入し、年間1,000万円の減価償却費を計上できるとします。

この場合、実際の不動産所得の手残りは100万円ですが、会計上は500万円の赤字です。
この会計上の赤字500万円とサラリーマン年収1200万円を損益通算すると、最終的な納税額は年収700万円の人と同程度でよい(所得の圧縮に成功)ということなります。
これが、不動産投資を利用した節税の仕組みです。

減価償却費が大きければ大きいほど会計上の赤字を大きくできるため、より多くの所得を圧縮することができ、節税効果が高まります。

不動産投資における減価償却の注意点

節税の観点でもお得な結果を期待できる不動産投資ですが、かえって損な結果を生むリスクも考慮する必要があります。場合によっては高額な税金の支払いを求められるかもしれません。節税を重視しすぎると、指摘の対象となりやすい点も理解しておきましょう。あらかじめ注意したいポイントを2つご紹介します。

売却時に税金が高くなる場合がある

税金関係のリスクとして押さえておきたいのは、売却時の税金が高額になる可能性です。不動産を売ったときに得られるお金は、他の所得とは別の区分で取り扱われます。計上する際の項目は「譲渡所得」です。

さらに、不動産の所有期間によって所得税・住民税の税率も異なります。所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」に該当し、5年以上所有した不動産よりも高税率になる仕組みです。

税務調査時に指摘を受ける場合がある

オーナー自身が確定申告を行う場合は、月々の損益を明確にした上で書類を作成しなければなりません。このとき、不確かな情報や金額の不信感があると税務調査が行われるケースもあります。理由として挙げられるのは以下のような内容です。

  • 法定耐用年数や償却方法が間違っている
  • 土地の費用も減価償却費に含めている
  • 損失額が正しくない

税務調査が実行されても、申告情報に間違いがなければ問題ありません。万が一計算ミスや認識の違いがあった場合、ペナルティとして税金が増額される可能性もあります。

節税効果を得るために架空の損失額を記入したり、耐用年数を長期化したりといった対策は適切といえません。結果的に損を招くことになるため、情報の整合性は入念にチェックしましょう。

まとめ|不動産投資の減価償却の仕組みとは?減価償却費の計算方法や効果的な節税方法を解説!

減価償却とは

減価償却とは、価格が大きく長期間に渡って使用できるモノは購入した年に全額を費用計上するのではなく、一定の期間にわたって分割して費用計上すること

不動産投資における減価償却費の計算方法

・定額法の償却限度額=取得価額×定額法償却率
・定率法の償却限度額=(取得価額-これまでに償却した金額)×定率法償却率

不動産投資の減価償却費が節税に有効な理由

・減価償却費は実際の支出を伴わない経費
・損益通算で個人の所得を圧縮できる

不動産投資における減価償却の注意点

・売却時に税金が高くなる場合がある
・税務調査時に指摘を受ける場合がある

今回は、不動産投資の減価償却の仕組みと、減価償却費の計算方法・効果的な節税方法を解説しました。

これらが不動産投資における減価償却の基本となりますので、ご自身の節税対策に活かしてもらえたらと思います。

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この記事を書いた人

ライフアートエージェンシィ

東京都目黒区下目黒の不動産会社です。
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